二世帯住宅購入はココに気をつけたい!

■二世帯住宅のメリット

親世帯と同居する子世帯にとって、経済面からのメリットは? 親が所有する土地に二世帯住宅を建設する場合は、土地代がかからず、固定資産税も各世帯の登記面積で特例が受けられます。さらに相続後、相続税において「小規模宅地等の特例」の適用を受け、土地の評価額が減額となり、相続税が軽減されます。 生活面をみると、子世帯に生まれた子供(親にとっては孫)の世話を親に頼むことができます。共働き夫婦の場合は、安心して仕事をすることができますよね。 このように住宅ローン負担が軽減され、共働きで収入を増やすことができれば、教育資金や老後資金の準備もしっかりできます。

 

■二世帯住宅のデメリット

二世帯住宅の喜ばしいメリットの反面、生活面における二世帯間のプライバシーの部分や、人間関係などの精神面の部分は、よいところもあれば、デメリットになる可能性を秘めています。それまで別々に居を構えていた家族が一緒に暮らすわけですから、生活習慣の違いによる戸惑いが生まれることは少なくありません。これがこじれてくると、最悪の場合二世帯の同居解消や子世帯夫婦の離婚という事態に発展してしまうケースもあります。住宅ローンの支払いがまだ残っている場合は、たとえ住まなくなったとしても支払い続けなければなりません。もともと家族だということが、かえって権利関係の円満な整理を難しくすることがあります。親世帯か子世帯、どちらかが住み続けると売却はさらに難しいといえるでしょう。

 

■デメリットの顕在化を防ぐ三つの注意点 二世帯住宅の購入に当たり、親子仲良く暮らすための注意点は三つ。

●一つ目は、介護について 親にとって子世帯と一緒に住むことは、将来の安心感があります。逆に子からすれば、元気だった親も歳を重ねるごとに衰えが見え、いずれは「介護」という問題に直面するようになります。親が要介護状態になったときには、親はどのような介護を望んでいるのか? 子世帯に介護の心構えはあるのか? などを住宅計画の時点でお互いの意思確認をしておくことが大事です。 「できるだけ自宅で過ごしたい」という親の希望があるならば、設計段階でその思いをどう組み入れればいいのか検討ができます。バリアフリーなど後の改修ができるだけ不要になるような設備・仕様にしておくといいですね。

●二つ目は、相続に関して 二世帯住宅では、事前に対策を立てておかないと相続が起こった際に問題となるケースがあります。その対策とは、同居していない他の推定相続人に対しての配慮です。 親世帯と同居する子供が一人っ子であれば問題ありませんが、兄弟姉妹が複数いる場合は、相続が発生した際の同居していない他の兄弟姉妹への配分も確保する必要があります。相続財産の大部分が自宅の土地建物であるようなケースでは、同居していた子供がその土地建物を引き継いでしまったら他の相続人に渡る財産はありません。例えば、兄弟姉妹から同等の配分を要求され、それまで親世帯と同居していた不動産を売却して金銭に換え、分けることになってしまったというケースもあります。そうなると、同居していた子世帯は住まいがなくなってしまいます。こうした事態を避けるためにも、まずは親世帯との同居を始める前に、他の推定相続人に対して二世帯住宅建築の同意を得ておきましょう。また、相続となった際に相続人同士での争いを未然に防ぐ意味からも、生命保険等を活用して金銭で配分するなど不満をなくすための準備も必要です。

●三つ目は、同居する両親が亡くなった後の建物の活用について つまり、親世帯の住まい部分をどうするのか? ということです。例えば、賃貸物件として貸すという想定をするならば、建物設計の段階で完全分離をしておけば、後々改修工事をしなくて済み、余分な費用発生を抑えられます。

 

その他にも、売却や建て替えという選択肢もあります。 二世帯住宅を購入する際には、「介護」、「相続」、「建物」の活用などを踏まえ、長期的視点で、環境の変化をある程度想定したプランを立てましょう。その上での建物設計や間取りを親と一緒に計画しましょう。親世帯と子世帯が一緒に二世帯住宅のプランを立てることで、同居後の快適な暮らし、家族がそろったより豊かな暮らしの実現へとつながるのではないでしょうか。

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